自分の車が冠水してしまったら、
と考えたことはありますか?

実際に、津波や豪雨の影響で、
車が冠水して被害に遭った人々が大勢います。

このくらいの水位なら
まだ大丈夫だろうと思って
判断することはとても危険です。

気が付いたときにはマフラーが冠水して
エンジンがかからなくなってしまうかもしれません。

冠水しないように注意して運転することは大事ですが、
あっ、と思ったときは遅かった、ということもあります。

万が一冠水してしまっても大丈夫な走り方はあるのでしょうか?
また気になる修理費はどのくらいになるのでしょうか?

車のエンジンがかからない!マフラーまで冠水してしまった!?

車のマフラー付近まで水が来て、
冠水してしまうとどんなことが起こるのでしょう。

一般的に、車はエンジンにガソリンと
空気を取り込んで圧縮して燃焼(爆発)させることで動くものです。

燃焼済の排気ガスがマフラーから排出されて、
新しい空気を取り込む、という作業を繰り返して車は動きます。

つまり

吸入→圧縮→燃焼・膨張→排気、という
4つの工程を繰り返すということになります。

この工程を繰り返すエンジンが一般的で、
これを「4ストロークエンジン」と呼んでいます。

簡単に言うと、空気と燃料である
ガソリンを混ぜたものを爆発させて、
爆発の勢いでタイヤが動くということです。

マフラーが冠水したら車は故障する?どこまで影響が及ぶの?

マフラーが冠水してしまうと、
「排気」の工程に支障が出てきます。

排気ができなくなると、新しい空気も入ってこなくなります。

次第にエンジンは動かなくなっていき、
最後にはエンストしてしまいます。

恐ろしいのは、
エアクリーナー部分に直接水が入り込むとです。

空気に多量な水分が含まれていると、
「圧縮」がうまくいかず、燃焼しないために突然停止してしまうのです。
これを「ウォーターハマリング現象」といいます。

こうなってしまうと再びエンジンをかけることは困難です。
さらに車が水没してしまえば、
車のいろいろな箇所から細かい泥が入り込んできます。
運転を制御するための部品や機器などには破損が起きるでしょう。
火災や発煙の危険性もあります。

冠水してしまったらどうする?

マフラーの位置は思ったよりも
低い位置にあるために、

水位が上がっていても、
このくらいの水なら大丈夫だろうと
思ってしまうことがあります。

大雨のときは無理に運転しない、
油断はしないで早めに対処すると
いうことが大事ですが、

万が冠水してしまったらどうすればいいのでしょうか?

まずは運転を控える

運転中に道路が冠水していることを
確認したときは、速度を十分に落とします。

車間距離も十分に取るようにし、
先行車、対向車の水位の変化にも気を付けます。

すぐにエンジンを停止する

車まで冠水してきていると運転は危険です。
すぐに車のエンジンを停止して、車から出て避難するようにします。

そのときには、慌てていきなり
水たまりに出るようなことはせずに、
足をついたら水深を測ってゆっくり歩きます。

進んできた方向とは逆に歩いて避難するようにします。

水たまりが濁っている場合は

マンホールのふたが外れている
可能性も考えられるので慎重に一歩一歩確かめながら歩きます。

アクセルを戻さない

アクセルをもどしてしまうと
マフラーからの排気力が弱まって
逆に水を吸い込む流れが起こって
エンジンの停止につながります。

しかし、スピードがそのままということ
なのでかなり注意しなければいけません。

水しぶきで前が見えなくなったり、

ハンドルが取られたりする危険性もあり、
あまりおすすめできる対策ではありません。

ですから、アクセルを戻さないということは
決しておすすめすることではありません。

車を止めると危険だ、
と判断したときの対策として覚えておきましょう。

修理費について

修理費用は、車の種類、
被害状況などによっても変わってきます。
目安としては次のような金額になります。

・シートの上まで冠水したら50万円~
・シートの下まで水に浸かった場合は25万円~
・フロアーカーペットまで水に浸かった場合は5万円~

 

いざというときのために保険も検討しておこう

自費で支払うと多くの費用がかかってしまいます。
「車両保険」「損害保険」に入っていると
保険料が支払われるので安くすることができます。

費用が何百万とあっかるようなら、
廃車にして買いかえを検討した方がよい場合もあります。