地震対策の家具転倒防止グッズって突っ張り棒だけでいい?転倒しない家具の配置・固定方法とは?

あなたの家の中の地震対策、
今のままで十分でしょうか?

「うちは家具に突っ張り棒をしているから転倒の心配はないだろう」
「家具の配置はあまり考えていない」

と言っている人、

そのままでは対策としては不十分です!

1995年の阪神淡路大震災は、
6500人を超える犠牲者を出した大きな地震でした。

そのうちの9割が
崩壊した家屋や家具などによる
圧死だったというデータがあります。

当時まで家具の転倒防止対策については
あまり重要視されていませんでした。

大震災が起こってから
家具転倒防止グッズなどについても見直されてきました。

いつ起こるかわからない地震・・・

家具をしっかり固定していれば、
家族や大事な人を防げた命だってあります!

あなたの自宅の家具の配置や地震対策について
もう一度見なおしてみませんか?

 

家具転倒防止グッズに突っ張り棒だけでは不安な理由とは

突っ張り棒は、家具や壁を傷つけることなく
設置できるという点ではとても魅力的に思えます。

しかし、しっかりとした地震対策をするには
突っ張り棒だけでは不十分です。

突っ張り棒は、天井と家具との間に設置されるので、
地震の縦揺れには強いですが、横揺れには弱いという弱点があります。

突っ張り棒を使用するには、
天井に家具を支えるだけの耐力がないと危険です。

また、しっかりした天井であっても、

天井との隙間が少なくて、
奥行のある家具ではないと転倒の可能性があります。

突っ張り棒は取り付け方次第では、
耐震強度が半減してしまうこともあるので注意が必要なのです。

突っ張り棒の効果を高める対策

 

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突っ張り棒以外の金物などは家具や壁を傷つけるから嫌だ、
賃貸住まいの家には無理、そういう意見もたくさんあるでしょう。

そのような人のためにも、
突っ張り棒を使って効果を高める方法を紹介します。

まず、突っ張り棒を取り付ける前に、
天井下地の桟の位置や強度を十分にチェックしておかなければいけません。
突っ張る位置によっては天井が壊れることがあります。

強度をチェックするには
「天井を押してみる」ことが有効です。

押してゆがんだり、簡単に持ち上がってしまうところは
取り付けても効果は得られないと考えてよいでしょう。

では具体的に対策を見てみることにしましょう。

天井と家具の天板に板を挟んで固定する

天井、家具の天板部分に
それぞれ板を挟んで固定することで
揺れを面で受け止めて耐震効果がアップすると言われています。

板と突っ張り棒の側面は
それぞれ両面テープやネジ止めをすることによって
さらに強度がアップするようです。

竿縁天井の場合は竿縁の間に厚めの板を

昔から見られる和室に見られる
竿縁天井(さおぶちてんじょう)
などは強度には問題があります。

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もし突っ張り棒を利用するのなら、
天井に面で力が加わるようにする対策をしましょう。
有効な対策としては、
厚めの板を竿縁の間に掛け渡すという方法があります。

家具の正面と直角方向に
竿縁が通っている場合は、家具以上の範囲で掛け渡します。

家具の正面と並行に通っている場合は、
家具の両端部の上部まであればよいでしょう。

しかし、昔から多用されている
一般和室に見られるような竿縁天井などは
天井の強度に問題があるので、
突っ張り棒以外の固定器具を検討した方がよさそうです

突っ張り棒の設置場所はなるべく奥に

突っ張り棒は家具の両端
そしてなるべく奥に設置するのが効果的だと言われています。
手前や中央部に設置しないようにしましょう。

ほかの転倒器具との併用も検討

家具の底に敷くマット式の器具やストッパー式の転倒防止器具などもあります。
粘着式のものは壁や家具に穴をあける必要はありません。
より強度を高めるためにこれらを併用することも考えましょう。

突っ張り棒以外の家具転倒防止グッズ

天井と家具との間に納まる

・隙間専用の収納ユニット
・隙間収納ユニット

を設置することは、

地震の揺れを面で受けるという対策になります。

同様に、
隙間に合わせて作った木箱や段ボール箱を
きっちり詰めても同じような効果があるそうです。
お金をかけずに対策をするには良い方法かもしれませんね。

【効果が高いL型金具】

行政ではL型金具を推奨しています。
しかし実際には家庭では普及が進んでいないようです。

一般的な壁ではビスがきかないということがあったり、
費用や手間がかかったりするなどして使用をするのが
難しいというのが現状のようです。

安全な家具の配置を考える

できれば重たい家具で
部屋を埋め尽くさないようにするのが一番ですが、

そうはいっても難しいという場合は、

次のポイントだけは押さえておきましょう。

■生活空間と収納場所を分ける
例えば、寝室にタンスなどを置かずに、
一部屋に収納スペースを集中させて
そこに家具をまとめて配置するという方法などがあります。

■積み重ね家具は横に並べる
便利な上下積み重ね家具ですが、
家具の重心が不安定になって転倒しやすくなります。
横に並べるようにしましょう。

■軽いものは上、重いものは下
家具が安定するようにものを配置することが大事です。

■テレビの飛び出しに注意
テレビは飛び出す危険性があります。
万が一飛び出してきた場合も安全な位置に
置き場所を確保しておきましょう。
キャスターも止めるかはずすかしましょう。

■避難経路を家具でふさがない
大きな家具が邪魔になって避難ができない、
ということにならないように、
避難経路、特に出口付近などに
大きな家具、背の高い家具などは
置かないようにしましょう。

防災グッズなどの常備はきちんとできていても、
家具の固定などはめんどくさいというのもあってかおろそかになりがちです。
しかし、大きな揺れがきたときに動く余裕などありません。
まずは身の回りの安全対策が一番です。

参考図書
「インテリアの地震対策」 著 北浦かほる 北原昭男